9月
「…そろそろ様子見に来てくれない?」
最後に会ってからは三週間以上…。
ある夕方に、結蓮がまた連絡を寄越した。
「…またねぇ、ここ数日ぐらいちゃんと寝てないみたいだから、寝かしつけてやってよ。」
あいつはいつもそう。昼間に寝るときもあれば、夜中起き通して何かに没頭するときもあって、リズムは取れてても数日ずっと睡眠時間を取ってない時もある。
…ただ、俺がなんとなく想像してたような、眠れない、とか、会いたい、とか、そういう連絡は一回も寄越したことがない。
それも、いつもそうだった。
調子が悪いって時は、自分では他人に言おうとはしなかった。俺に直接そういう連絡を寄越すことはしないくせに、様子が変だって結蓮が騒いでる時は、いつも疲れた顔をしている。
こうやって付き合う前は、恋人がどうとかいう話を周りでしてるのを聞くたびに、そういう話とは無縁だと思ったのに、今は逆に心配だった。
あいつがどういう心理で何も言ってこないのかは、なんとなくわかっている。
…それで今。
「…そんなに寂しかった?」
「…うん。」
同じ布団に入って、声をかけた。
「…一人だと寝られないの?」
「……。」
答えに迷ってしばらく唸った。
「…寝られるけど…。」
「…寝られるけど?」
「…寝るの嫌だ…。」
「…一人で寝るの嫌だ?」
笑って返したら小さく頷いてる。
「…そういう時はちゃんと言いなさいよ。」
「…そう?」
「ずっと布団で寝ないでいる気してたの?」
「……う~ん。」
…俺のことを気にして言わないんだろうけど。
「…言わないと倒れるよ。」
今言いたいことはとにかくそれだけだった。
…別に気にするなとは言わないけど。調子悪い時ぐらい言えばいいのに…。
それから数日、目のくまが消えるまで、こんな調子で早い時間に寝かせていた…。
最後に会ってからは三週間以上…。
ある夕方に、結蓮がまた連絡を寄越した。
「…またねぇ、ここ数日ぐらいちゃんと寝てないみたいだから、寝かしつけてやってよ。」
あいつはいつもそう。昼間に寝るときもあれば、夜中起き通して何かに没頭するときもあって、リズムは取れてても数日ずっと睡眠時間を取ってない時もある。
…ただ、俺がなんとなく想像してたような、眠れない、とか、会いたい、とか、そういう連絡は一回も寄越したことがない。
それも、いつもそうだった。
調子が悪いって時は、自分では他人に言おうとはしなかった。俺に直接そういう連絡を寄越すことはしないくせに、様子が変だって結蓮が騒いでる時は、いつも疲れた顔をしている。
こうやって付き合う前は、恋人がどうとかいう話を周りでしてるのを聞くたびに、そういう話とは無縁だと思ったのに、今は逆に心配だった。
あいつがどういう心理で何も言ってこないのかは、なんとなくわかっている。
…それで今。
「…そんなに寂しかった?」
「…うん。」
同じ布団に入って、声をかけた。
「…一人だと寝られないの?」
「……。」
答えに迷ってしばらく唸った。
「…寝られるけど…。」
「…寝られるけど?」
「…寝るの嫌だ…。」
「…一人で寝るの嫌だ?」
笑って返したら小さく頷いてる。
「…そういう時はちゃんと言いなさいよ。」
「…そう?」
「ずっと布団で寝ないでいる気してたの?」
「……う~ん。」
…俺のことを気にして言わないんだろうけど。
「…言わないと倒れるよ。」
今言いたいことはとにかくそれだけだった。
…別に気にするなとは言わないけど。調子悪い時ぐらい言えばいいのに…。
それから数日、目のくまが消えるまで、こんな調子で早い時間に寝かせていた…。
