4月 負け確、カクカク、隠れ鬼

これは、いったい何を言ったらいい?
秘密にしてること…?
強迫観念に駆られていたその時。

時計の音が、なった。
「…あっ(笑)」
思わず笑ってしまった。
「…これは…?私の…?勝ち…?(笑)」
目の前でクールがちょっと吹き出してる。
このルールは、三時になる前…つまりあの音が鳴る前に私を二人のところに連れ戻す、というものだったはず。

…つまり…これ、ぎりぎりセーフでは?

「…うん…いいよ。俺の負けで。(笑)」
「…いや!ドローってことにしよう!これはめんどくさい!(笑)」

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────その夜。
結局、審判の兄妹の元に言ったらそれはドローと言われてしまった二人は、後々個人的に秘密を打ち明けることになった。

そして、布団に入ったあと。
「…ホントにドローでいいんだね…?じゃあ俺からな。」
「…うん。」
自分で言うのも嫌だと思ってたけど、相手から聞くのも緊張するんだよ…。

「…探してる間、昔のこと考えてた…。」
「…うん?」
「…うん、それが秘密だよ。」
「…?」
突然言われたことがよくわからなかったけど。
「やっぱり、俺はアンタがいなくなるのが怖い。」
「…。」
…抱きしめられたら何も言えなくなるんだよ。

「…お前は?」
「…う~ん…秘密考えたけど…思いつかない…」
…それを言ったら、笑われちゃったんだけど…。
「…なんだろう…?その…髪型…。」
「ん?」
「髪型が似てるから…運命かな~って、思った…」
「…それが秘密?」
「…うん。」

 …緊張と少しの眠さで、あんまり多くを言えない自分に、クールはこう聞いた。
「ところで…なんでドローなんて扱いにした?」
「……クールが、勝たないと、嫌だったから。」
 言った途端、クールが今日一番…いや、滅多に見せないくらい笑って。
「それが一番の秘密だな。」
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