4月 負け確、カクカク、隠れ鬼
「あっ…。」
広い公園の、並ぶ木の下。
「…ホラ、行くぞ。」
走る私の肩に後ろからポンと手を置いた後、少し見下したように笑って、クールがそう言う。
あかん…アカン…。罰ゲームだ…。
────────────────
なんでそうなるんかなぁ…?(笑)
や、確かに私は「鬼ごっこしたい」とは言った。言ったかもしれない。けどそれを真剣にセッティングして、よりによってクールとやらせようとか考えてくるあの兄妹(ユイレン・ユイラン)も、フザケルノモタイガイニセーって感じだよな…ホント。
おまけに、本ルールはご丁寧に罰ゲームつき。
「あんた運動しなさすぎなんだから」って、そう言われましても…。もうちょっとやらせ方ってものが…。
それにあの言葉だって、ただ単に「子供の頃に戻りたい」とか「あの元気に走り回ってキャーキャー言いながら隠れたり鬼ごっこしたりしてた時期に戻りたい」とか…そういう気持ちで言っただけなんだけどねぇ。
私は。運動ができないから。足が遅いから。誰とやったってたいてい負けるに決まってるんだよ。
それもあのクールから逃げ切ろうなんて…。
こういう時、セ〇を知ってるゲーマーなら、「十年早いんだヨ!」なんて、よく言ったもんだけど、十年かかろうが、それは無理だろ…。ってか、そんなこと言ってる場合でもないんだけど!(笑)
そんなわけで。ある意味一番やりたくない人と隠れ鬼をやらされることになりました…。
隠れ鬼、なところがせめてもの救いだよ。
「鬼ごっこしたいとか言ってたから付き合ってやってよ」
とか、余計なこと言ったユイレンに対して、
「…は?俺が?」
って、笑い飛ばしながら言ってたクールが。あの兄妹と一緒に。広い公園についてきた。
「ハイ、じゃ~隠れ鬼な。でもその前に一つ。」
ユイランの口から出た言葉。
「あの時計で…三時になるまでに、ここに連れてきて。」
「…なるほどね。時間までに連れてこなければペナルティがあるってわけか。」
それに頷くクールと、ただ黙る私。
「そ。んで、もし連れてこられたら、逃げられなかったアンタの負けだからね。」
「それは、どういう…?」
「あ、今、理不尽って思ったでしょ?思ったね?(笑)」
「や…理不尽…では…な…(笑)」
勝ち負けを決めるもんなの?とは思った。思ったけど!とか考えながら笑ってルールを聞いていると。
「負けた方が、相手に秘密にしていることを暴露する!それが罰ゲーム!(笑)」
「…ハァ…」
「…えぇ…?」
こりゃ笑え…る、けど!ないよそんなもん!
秘密にしてること…?なんだそれ?別にそこまで重大なものがあるわけでもなし…。じゃあなんだ…?
そんなことをゆっくり考える暇もなく、さっそく開始の合図をもらってしまった…。
「ここって、二人とも初見?」
「…来たことはあるけど、ちゃんと遊具とか見たわけじゃねぇから初見」
「…完全に初見…」
「おっと~?じゃあ隠れる時間は長い方がいいですね!広いし。ねぇ、兄さん。」
「じゃあ隠れる時間は一分で。どう?」
この広い公園にある目立った遊具。ブランコと…あれなんて言うんだっけ、ジャングルジムの球体になってて回るやつ…そう、グローブジャングルと…でっかいアスレチック。でも、何がすごいって、そもそもこの公園自体が広い。軽い逃〇中みたいになりそう。こんなことなら、サングラスかけて追いかけてきてほしかった…とか、そんなこと考えながら歩いてると笑いそうになるんだよね。
ただ、私がよく馴染んだ公園と違うところ。それは。
…ここが、エデンだということ…。
不良らしき人をちらほら見かける。危ないけど、リーゼントなんていう、画面の中とか写真でしか見たことなかった髪型を、遠目にこうやって実際に見られて、少し感動している自分もいた。そういうの、なんとなくかっこよくて。好きだなって思うから…。
でも、そんなことも呑気に考えてられない。
…一分経っちゃう。ってか、もう経った…?
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広い公園の、並ぶ木の下。
「…ホラ、行くぞ。」
走る私の肩に後ろからポンと手を置いた後、少し見下したように笑って、クールがそう言う。
あかん…アカン…。罰ゲームだ…。
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なんでそうなるんかなぁ…?(笑)
や、確かに私は「鬼ごっこしたい」とは言った。言ったかもしれない。けどそれを真剣にセッティングして、よりによってクールとやらせようとか考えてくるあの兄妹(ユイレン・ユイラン)も、フザケルノモタイガイニセーって感じだよな…ホント。
おまけに、本ルールはご丁寧に罰ゲームつき。
「あんた運動しなさすぎなんだから」って、そう言われましても…。もうちょっとやらせ方ってものが…。
それにあの言葉だって、ただ単に「子供の頃に戻りたい」とか「あの元気に走り回ってキャーキャー言いながら隠れたり鬼ごっこしたりしてた時期に戻りたい」とか…そういう気持ちで言っただけなんだけどねぇ。
私は。運動ができないから。足が遅いから。誰とやったってたいてい負けるに決まってるんだよ。
それもあのクールから逃げ切ろうなんて…。
こういう時、セ〇を知ってるゲーマーなら、「十年早いんだヨ!」なんて、よく言ったもんだけど、十年かかろうが、それは無理だろ…。ってか、そんなこと言ってる場合でもないんだけど!(笑)
そんなわけで。ある意味一番やりたくない人と隠れ鬼をやらされることになりました…。
隠れ鬼、なところがせめてもの救いだよ。
「鬼ごっこしたいとか言ってたから付き合ってやってよ」
とか、余計なこと言ったユイレンに対して、
「…は?俺が?」
って、笑い飛ばしながら言ってたクールが。あの兄妹と一緒に。広い公園についてきた。
「ハイ、じゃ~隠れ鬼な。でもその前に一つ。」
ユイランの口から出た言葉。
「あの時計で…三時になるまでに、ここに連れてきて。」
「…なるほどね。時間までに連れてこなければペナルティがあるってわけか。」
それに頷くクールと、ただ黙る私。
「そ。んで、もし連れてこられたら、逃げられなかったアンタの負けだからね。」
「それは、どういう…?」
「あ、今、理不尽って思ったでしょ?思ったね?(笑)」
「や…理不尽…では…な…(笑)」
勝ち負けを決めるもんなの?とは思った。思ったけど!とか考えながら笑ってルールを聞いていると。
「負けた方が、相手に秘密にしていることを暴露する!それが罰ゲーム!(笑)」
「…ハァ…」
「…えぇ…?」
こりゃ笑え…る、けど!ないよそんなもん!
秘密にしてること…?なんだそれ?別にそこまで重大なものがあるわけでもなし…。じゃあなんだ…?
そんなことをゆっくり考える暇もなく、さっそく開始の合図をもらってしまった…。
「ここって、二人とも初見?」
「…来たことはあるけど、ちゃんと遊具とか見たわけじゃねぇから初見」
「…完全に初見…」
「おっと~?じゃあ隠れる時間は長い方がいいですね!広いし。ねぇ、兄さん。」
「じゃあ隠れる時間は一分で。どう?」
この広い公園にある目立った遊具。ブランコと…あれなんて言うんだっけ、ジャングルジムの球体になってて回るやつ…そう、グローブジャングルと…でっかいアスレチック。でも、何がすごいって、そもそもこの公園自体が広い。軽い逃〇中みたいになりそう。こんなことなら、サングラスかけて追いかけてきてほしかった…とか、そんなこと考えながら歩いてると笑いそうになるんだよね。
ただ、私がよく馴染んだ公園と違うところ。それは。
…ここが、エデンだということ…。
不良らしき人をちらほら見かける。危ないけど、リーゼントなんていう、画面の中とか写真でしか見たことなかった髪型を、遠目にこうやって実際に見られて、少し感動している自分もいた。そういうの、なんとなくかっこよくて。好きだなって思うから…。
でも、そんなことも呑気に考えてられない。
…一分経っちゃう。ってか、もう経った…?
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