Side Cool
全く、こいつときたら。
「…あげるね。」
「…うん。」
またあの…どこの誰かも知らないガキに食べ物渡して。お人好しもいいとこだ。
理由もだいたい予想できるようなことだったから、正直口出しするのも面倒だった。
「…行かないの?」
変な気分で奴の前に立ってたら、こうなんでもない顔で聞いてくる。
しかも、河原に着いたあと、1個だけになったおにぎりを俺に渡してきた。
「…いいよ。」
「…食べないの?」
「…いらない。食べたら?」
ため息混じりでこう返したら、不思議そうな顔。
…どうせ妬いてるとか思ってんだろうな…。
「…怒ってる?」
「…いや、別に。」
…夕方、奴の部屋に帰ってきて、まず一番に聞かれたことは、当然、俺の反応のことだった。
「…妬いた?」
「…あんなガキに妬かねぇよ。」
「……なんで怒ってんの?」
横に座って、なんでって顔してる。
「……危ないから?」
…怒ってるというよりは…。
「…じゃあ逆に聞くけど、なんでそんなガキに食べ物なんて渡してんだよ。」
「……。」
答えなんてだいたい決まってんだろうよ…。
「……かわいそうだから。」
…やっぱりそうだ。
「…そうやって、かわいそうかわいそうって…。」
「……。」
「…それだけでどうにかできるとでも思ってんの?」
…大して器用でも冷静でもないくせに。よくもまぁ…他人のことかわいそうだとか、助けないと気が済まないとか…そんなこと言えるもんだぜ。
