Side Mimidori

「……渡しちゃったの?」
「……うん。」
帰ってきてから、さっきあったことを結蓮に聞かれて、話してる。
怒られるかなとか、心配されるかなとか…そういうこと考えてて…。ちょっとだんまりになっちゃったんだけど。
「メロンパンが守ってくれたんだね。」
「…そうか…。」
そう言われて、すごく実感湧いた。
「何にもされなかった?」
「…うん。」
「じゃあ良かった。」
…すごくほっとする答えだった。
何事もなく終わって良かった……。

って、その時は思ってた。


その一週間ぐらい後かな…。
また同じ市場について行くことにして、荷物持ちのお手伝いをしてた。
その時も、同じパン屋さんに二人で寄って。パンを買って。

帰りにふと、あの男の子を思い出して。なんか、こっちに逆にびっくりした顔してたな…って。
思い出したから、心配する結蓮を置いて、いないかな…って路地を見てみたら…。
「……!!」
やっぱり。いる。
でも、前と同じ、なんかこっちに逆にびっくりしたみたいな感じだった。
「…あの子?」
「…うん。」
後ろの結蓮に返事をしつつ、びっくりしてる子がなんかかわいそうな気がして。
「…渡してもいい?」
「…そのパン?」
…つい、聞いちゃったよ。
「…ま~、そうね、いいわよ。」
そう言われて、また前みたいに、でも今日はそ~っと、パンを差し出した…。

「…!?」
ナイフを出したわけでもないのに渡されて、ちょっと困惑してる風…?
何もしてないのにくれるの?って感じで…。
でもやっぱり怖いのか、ちょっとこっちを見た後、ばっ、て取って急いで逃げてく。

「…行っちゃった…。」
「…どこの子かね、あの子…。」

結蓮も不思議そうにしてたけど、怒らないでくれることにありがとうを言わなきゃな…と思いながら、その日も帰った……。
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