朝方。一緒に寝てて、起きる前に。
布団の中で、ちょっと…隣で目が覚めてるクールの脇に、スッ、って手を入れてみる。
「…何。」
なんとなく、くすぐろうとして、
「…そんなにやり返して欲しいのか。」
脇にてを入れ返された。
「わぁぁやめて…ごめんなさいぃ…。」
…まあ、そうなるか…。
くすぐり返されてバタバタしながら笑った。

「…なんだって急に。」
伸びながら、ちょっと不機嫌そうに聞かれけど、
「…ハロウィンだから…いたずらしたの。」
だって、トリックオアトリート、ってよく言うし…。
でもそんなことクールは気にしないか…。

……とか、そんなことを考えてたら、腕を伸ばされてちょっと顔を離された。寝てる体勢だとちょうどクールの肩というか、首元か胸辺りに顔があったんだけど…。
離されて、顔を見られた…から。
もしかして…と思った時には、顔がすぐ近くにあった。
「…ハロウィンだからなんだって？」
2回も3回も、いっぱいキスされちゃって…。とにかくくすぐったいし、恥ずかしいしで。
すぐまた、元の位置に顔をなんとか潜らせた…。
「…やってもいいんじゃなかったの？」
笑いながら聞いてくる……。

ちょっといたずらしてみても、いつもと変わらないんだなぁ…なんて思う。

結局なんて返したらいいかわかんなくて、そのまましばらく潜ったまま、やっと、ちょっと勇気を出して言葉を出した。

「…誕生日おめでとう。」
「…うん。」


10月31日。
ハロウィンだけど、それだけじゃなくて。
今日はクールの誕生日。