何でもない(?)散歩
どこに行くかも決めないで、ただぶらぶら歩くだけの散歩に二人で行った。
「どっちに行く?」
「…こっち。」
聞かれて、私が選んだ道。
暗めの路地をちょっと歩いたところで、途中にあった、錆びた鉄格子の扉がかけられた狭い道が気になった。
でも行ったら危なそう…って思っていると、横から「そっち行きたい?」って。
「…いいの?」
扉開けてるクールに聞いた。
「…つまんねぇだろ。ずっと俺が選んでたら…。」
「……そう?」
「…アンタはいいかも知んないけどさ。俺はつまんねぇよ。」
「…そっか。」
歩きながら、なんとなく。クールが選ぶと知ってるところばっかり歩くからつまんないのかなぁって思った。
…私はまだこの街にあんまり慣れてないから、気になるところはあるけど。一人では行きづらいからね…。
建物の壁と高いコンクリートの塀で挟まれた道を歩いていくと、ちょっと道が広くなったと思ったら、今度は緩い坂道だ…。
住宅街みたいなところだけど、見た感じ、建ってる家とか集合住宅っぽい建物は、みんな古い。人が住んでそうな感じがする建物もあれば、空き家というか廃墟になってるっぽい建物もある。
…ちょっと、住んでたところの地方感もして、懐かしいなと思った。
でも、所々、人が出てたりして。なんか雰囲気が全然前いたところとは違うな、とか、そりゃそうだよな…だってここは…とか、思ったところで、この街だとこういうところもまともな人は少ないんだろうな…なんて考えたら、懐かしさどころじゃない気もした。
歩きながらそんなこと考えてたら、絡んだ腕のちょっと上から、「変なのいても気にすんなよ。」って言われた。周り気にしてるのわかってたのかな…。
しばらく歩いた突き当たり、通りに出た。さっきのところより広い通りではあるけど、やっぱり、建ってるビルとかも見てわかるぐらい古いものが多くて。
所々に車がとまってて、色んな人が歩いたり喋ったりしてる、賑やかな通りだった。
何を話してるのかはわからなかったけど。
…たぶん、聞いちゃいけない話もあるだろうから、もちろん何も聞かない。中には喧嘩みたいに大声で騒いでる人たちもいた。
今までこの街にいて、別なところでも何回か見てきたけど、それでもやっぱり慣れないな…と思いながら、ついて歩く。
ビル郡の間を歩いて抜けて奥に進んでいくと、そのビル郡の区画が終わって、静かな砂の道の向こうにちょっと高くなった緩い土手があった。
その上の道から、かなり下の方に流れてる川が見える。
たまに川原に行くときは別なところから行くけど、今日は最初にあの鉄格子の扉がある道を選んで歩いてきたから、いつもと同じ川だけど違う部分だし、いつもとは違う景色だった。
その辺りはかなり人がいなかった。
いるとすればちらちら歩いてる人とか、遠くで釣りしてる人がいるぐらいで。
「…?」
道に二人で立ってるところに、すごい小さい緑色の生き物が足の近くに跳ねてくる。
「…カエル。」
しゃがんだら、逃げるみたいに、道の先の方に跳ねていった。
その後は、いつもの道まで出て、そこから帰った。本当になんでもない散歩だけど、楽しかったな…。
「どっちに行く?」
「…こっち。」
聞かれて、私が選んだ道。
暗めの路地をちょっと歩いたところで、途中にあった、錆びた鉄格子の扉がかけられた狭い道が気になった。
でも行ったら危なそう…って思っていると、横から「そっち行きたい?」って。
「…いいの?」
扉開けてるクールに聞いた。
「…つまんねぇだろ。ずっと俺が選んでたら…。」
「……そう?」
「…アンタはいいかも知んないけどさ。俺はつまんねぇよ。」
「…そっか。」
歩きながら、なんとなく。クールが選ぶと知ってるところばっかり歩くからつまんないのかなぁって思った。
…私はまだこの街にあんまり慣れてないから、気になるところはあるけど。一人では行きづらいからね…。
建物の壁と高いコンクリートの塀で挟まれた道を歩いていくと、ちょっと道が広くなったと思ったら、今度は緩い坂道だ…。
住宅街みたいなところだけど、見た感じ、建ってる家とか集合住宅っぽい建物は、みんな古い。人が住んでそうな感じがする建物もあれば、空き家というか廃墟になってるっぽい建物もある。
…ちょっと、住んでたところの地方感もして、懐かしいなと思った。
でも、所々、人が出てたりして。なんか雰囲気が全然前いたところとは違うな、とか、そりゃそうだよな…だってここは…とか、思ったところで、この街だとこういうところもまともな人は少ないんだろうな…なんて考えたら、懐かしさどころじゃない気もした。
歩きながらそんなこと考えてたら、絡んだ腕のちょっと上から、「変なのいても気にすんなよ。」って言われた。周り気にしてるのわかってたのかな…。
しばらく歩いた突き当たり、通りに出た。さっきのところより広い通りではあるけど、やっぱり、建ってるビルとかも見てわかるぐらい古いものが多くて。
所々に車がとまってて、色んな人が歩いたり喋ったりしてる、賑やかな通りだった。
何を話してるのかはわからなかったけど。
…たぶん、聞いちゃいけない話もあるだろうから、もちろん何も聞かない。中には喧嘩みたいに大声で騒いでる人たちもいた。
今までこの街にいて、別なところでも何回か見てきたけど、それでもやっぱり慣れないな…と思いながら、ついて歩く。
ビル郡の間を歩いて抜けて奥に進んでいくと、そのビル郡の区画が終わって、静かな砂の道の向こうにちょっと高くなった緩い土手があった。
その上の道から、かなり下の方に流れてる川が見える。
たまに川原に行くときは別なところから行くけど、今日は最初にあの鉄格子の扉がある道を選んで歩いてきたから、いつもと同じ川だけど違う部分だし、いつもとは違う景色だった。
その辺りはかなり人がいなかった。
いるとすればちらちら歩いてる人とか、遠くで釣りしてる人がいるぐらいで。
「…?」
道に二人で立ってるところに、すごい小さい緑色の生き物が足の近くに跳ねてくる。
「…カエル。」
しゃがんだら、逃げるみたいに、道の先の方に跳ねていった。
その後は、いつもの道まで出て、そこから帰った。本当になんでもない散歩だけど、楽しかったな…。
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