最終章
灰児は笑うと、指に持っていた煙草を吸った。クールはその斜め向かいの壁にもたれる。
「まさか、またアンタと会うことになるとは思わなかった…。」
「…軍隊に調べろって頼まれたんだよ。」
クールがそう言うと、灰児はしばらく黙っていたがそのうち「報酬目当てか?」とまた笑った。
「まぁそんなところだな…。」
「……アンタはやるな…。俺はせいぜいできても殺しぐらいか…。俺もアンタみてぇに飛び回りてぇよ…。」
「…。」
ミミドリは、あの外階段を降りUターンして後ろ側に道を進んでいた。
事件があってから少し外に出るのは控えていたが、タロウが戻ってきたという話は双子から聞いていたので、いるのではないかと、またあの猫の集会所へ歩いた…。
そこには、あの緑色をした大きな背中が屈んでいる。
…足音に振り返ったタロウ。
お互いが、その顔を見て安堵し、彼女は彼が呟いた言葉に頷いた。
「…お互い、無事で良かった…。」
壁にもたれ煙草を吸いながら、灰児が言う。
「…お嬢とはうまくやってんのか?」
「…あぁ。」
「うん、ならいい。」
そして、それから更に一か月と少しが経ったある日。
「…もうそろそろ降りてくるよ。」
バーの中で、結蓮がクールに声をかけた。
前に立って、ふざけた調子で結蘭が言う。
「最近おっさんホイホイで噂になってる変な子がいるそうじゃないか。」
ざわめく聴衆。もしかして、と顔を期待に寄せながら盛り上げている。
「今日からは!その子に来てもらおう!」
盛り上がったところで、ミミドリが連れてこられた。
...
7/7ページ
