最終章


――――― その夜

施設で、検査室へと入っていったミミドリを見届けたクールとハリーは、静かにその廊下で会話をした。
「…あの子はなかなか芯が強そうだな。」
「…そう思うか?」
「この状況になっても緊張だけで済んでるんだから、そうだよ…。まぁ…内心は消耗してるかもしれないけど。」
そして、黙って聞いているクールに、付け加えて言った。
「…君について行くんだからそりゃあそうか。」

一時間後。
「彼がまた朝になったら迎えに来るって言ってたから、それまではここで休んでてくれ。ここにいれば安全だからね。」
ミミドリは施設のベッドに寝かされて、あのハリーにそう言われ、頷いた。
扉を閉めるとき、彼は最後にこう言葉をかける。
「…お幸せに。」


――――― 翌朝10時半


昨晩に検査をして施設で夜を過ごしたミミドリが、クールと共に、双子のもとに帰ってきた。
「…おかえり。」
「心配したよ…。」
表口の扉を開けて二人を中に入れ、結蓮と結蘭はひどく安心した。
そして結蓮がミミドリを抱きしめると、ミミドリが動いて片腕を伸ばし、クールを寄せた。
三人に混ざっていない結蘭にも、目を向けているので、「…え?」と不思議そうにする結蘭のことを結蓮がすぐさま片腕で寄せる。
「…四人でね。」
そう言う結蓮と抱き寄せたミミドリに、クールと結蘭の二人は少し呆れていたが、それでもすごくほっとしていた。


夜、二人は一緒に布団に入って、すぐに抱き合った。
「…ちゃんと戻ってきて安心した。」
彼の言葉に頷きつつ、彼女は「…ごめんなさい。」と呟く。
「そうじゃないよ。元々悪いのはあいつらなんだから…。そういう時はなんて言うんだい。」
「…ありがとう。」
「うん。」

彼女にはもう一つ、気になっていることがあった…。タロウのことだ。
「一緒にタロウがいたんだけど…。」
「…あぁ…あれはたぶん無事だよ。」
「…いたの?」
「いた…。またそのうち戻ってくるよ…。ちゃんと出てればの話だけどね。」
「…。」
「お互い変なのじゃないことはわかったから、もう喧嘩するのはやめるけど…。こっちも心配なんだからな。」
「…うん。ごめん。」
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