最終章


電話の向こうで何やら別な声が聞こえたことに、結蓮は一瞬不安を覚える。
しかし、その不安は、次に聞こえた声で僅かな混乱がすぐに解けたのち、晴れていた。
『おい!聞こえるか!』
「……今、二人一緒に居るのね?」
『あんまり喋ってる暇はねぇ。今から言うことを軍隊に伝えろ!』
「…わ、わかったわ!」



数分後…。
B棟の上にあったヘリが、ゆっくりと空を動き出し、A棟の屋上へと向かっていく。


A棟では、ミミドリをクールが抱えて階段を登っていた。
この棟の最上階は三階。その上の屋上まで登る。

しかし、その途中…三階まで登ったというとき。
崩壊間近になった建物が、異状を知らせるベルを鳴らす。時間はきっと、あと数分ほどだ。
彼は、あの男の話も今度こそ本当だったという確信を持ったのと同時に、少し焦るような感覚も感じていた。
彼女にはもうあとはできることはない。抱えられたままじっとしているだけだった。

そして屋上のドアが見え…彼女を一度降ろす。
ドアには鍵がかかっているが、あのとき男から渡された鍵のたくさんついているキーリングを見ると、その中にRFと書かれた鍵が見つかった。
それを刺して回すとすぐに鍵が開く。

扉の先には、もうほとんど真っ暗な空と、その広い屋上にとまっていたヘリの姿があった…。


「…よし!早く乗るんだ!」

気付いた隊員はすぐに出る準備を始める。そこに、二人は歩いて行く。

「もう大丈夫だ。」
そして、全員が乗ったヘリのドアを、隊員が閉める。



タイムリミットが来る前に、脱出は成功した…。
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