十二章


――――― 謎の部屋

閉じ込められているコンクリート壁の部屋で、頭痛に悩まされソファーに座っていたミミドリは、少しの放心状態から我に返る。
相変わらず部屋は静かなまま…誰かが入ってくる気配も、時間の感覚も、ない。

頭の感覚がまだぼんやりとしている。
疲労で頭痛がしたのか、頭痛で疲労したのか、もはやわからなくなっているが、動こうとすると体はかなり重たかった。
まだ頭を締められているような頭痛は、止まない。

この際、ベッドに戻って横になっていようか…そう思って、立ち上がったとき。
「…あ…!」
…視界が、じわりと、一瞬変な色になった。景色がぐらっとして、立っていられなくなる。
慌てて片足を前に出したのでなんとか倒れずには済んだが、そのまま体が崩れ落ちた。

貧血か何かにでもなったのだろうか…。それにしても、今まで貧血で倒れたなんてことは、記憶にない。
じゃあ一体なぜ…。

すごく、怖くなった。
体を縛られているので、もう一度立ち上がることもなかなかできず、床にへたり込んでいると…。

…ガコーン…と、まるでこの辺一帯に仕掛けられている何かが動き出したように、辺りに、静かで重たい音が響き渡った。
この音は一体なんだろう…。その音が響いてから、何かが動いているのか…小さくだが、稼働音が鳴っている。

嫌な予感がして、壁のデジタルタイマーに目をやった。
何も光っていなかった、数字を表すそれぞれのバーが、でたらめに、ごちゃごちゃに、光り出す。
これはきっとカウントをする装置だ…。

30:00
ぱっと、数字が表示される。

29:59 ... 29:58 ... 29:57 ...

ありきたりな想像は、そうと決まったわけじゃないのに不安を煽った。

これがゼロになったら…どうなるのだろうか。
出られる方法があるわけでもなし、止めるための手掛かりがあるわけでもなし…。
そりゃあそうだ。敵がこんなところに手がかりなどを残しておくわけがない。

29:02 ... 29:01 ... 29:00 ...

これがゼロになるまで…つまり、おそらく自分が助からなくなるまで…30分もないということだ。

28:57 ... 28:56 ... 28:55 ...

このまま一人なのか…。
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