十一章
11...
ミミドリは、壁に埋め込まれた大きな大きな、四つの"8"に見守られながら、部屋を見回した。
しかし、特に目立って道具が見えるわけでも、道具がありそうな棚などがあるわけでもなかった。そもそも道具があったところで、上半身を縛られた状態では、まともに使えそうもない。
扉はあるが、おそらく鍵がかかっている。そうなるとここから出る手段はなさそうだ…。
ゆっくり、ゆっくり、部屋を歩き回っていた彼女は、また、あることに気が付いた。
ぼんやり、頭が締め上げられるような感覚。疲労しているときに感じるような頭痛が、ほんの少し。
…きっと疲れと緊張のせいだろう。
どうせすることもないと思って、彼女は探索をやめ、ソファーに座ったが、あまりにも、その部屋には何もなく、静かすぎて、ひどく落ち着かない。
彼女はこういうところが本当に苦手だった。ビルの誰もいない広い階段や、何も物がない廊下など、そういうところに一人でいるのは、何か出てきそうだという恐怖を誘った。
なぜそういう空間に恐怖を抱くのかはわからないが…今は、自分が捕らわれている身だから、余計に恐怖を感じるのかもしれない。
そのまま、背もたれに少し頭を預けながら目を閉じた。
…当然、恐怖と緊張で、さっきのように眠れるわけもない。
「…?」
だが、少し楽になったような気がして目を開け体を起こそうとすると、再びあの頭痛がして、頭を絞められたような感覚になった。
休んでは体を起こそうとするのだが、また頭の中がガンガンしだして、時間を追うごとに少しずつ酷くなり、だんだんと気分が悪くなる。
…そして、またすぐに、座った状態に戻ってしまった。
熱でも出たのだろうか。それにしては、悪寒はなく、他に体調が悪いような感覚もない。
今は、ただただ、頭痛が酷くて、気分が悪かった。
――――― C棟
階段を登って二階へと上がった灰児とタロウの二人は、見張りがいないか慎重に進み、棟を繋ぐコンコースを見つけた。
「…そこ、書いてある。」
「向こう、なんだな…。」
通路の向こうに天井から下がる板には、向こうがB棟であることが書かれている。
この先がB棟。そしてB棟のホールに行けと、あの浪人が言っていた。
恐ろしく静かだったが、見張りがいないのが少し不自然にも思える。
もしかしたら、この先のB棟ホール周辺に、見張りが集結しているのかもしれない。二人は、またそっと、あまり音を立てないよう、かつ素早く、歩いてそのコンコースを抜けていく。
ホールの場所がわからなかったが、運のいいことに、そのコンコースを抜けた反対側から近いようだ。
この通路の窓、雑に貼られた段ボールの間から見える外の景色の中に、何となくそれらしきものを確認することができた。
だが、順調かと思われた二人が、コンコースを抜けて窓からホールが見えた方へと歩いていたとき。
「…誰だ!?」
その声は少し遠くからだったが…見つかったことを一瞬にして悟ると、先を行く灰児に続き、タロウも走り出した…。
ミミドリは、壁に埋め込まれた大きな大きな、四つの"8"に見守られながら、部屋を見回した。
しかし、特に目立って道具が見えるわけでも、道具がありそうな棚などがあるわけでもなかった。そもそも道具があったところで、上半身を縛られた状態では、まともに使えそうもない。
扉はあるが、おそらく鍵がかかっている。そうなるとここから出る手段はなさそうだ…。
ゆっくり、ゆっくり、部屋を歩き回っていた彼女は、また、あることに気が付いた。
ぼんやり、頭が締め上げられるような感覚。疲労しているときに感じるような頭痛が、ほんの少し。
…きっと疲れと緊張のせいだろう。
どうせすることもないと思って、彼女は探索をやめ、ソファーに座ったが、あまりにも、その部屋には何もなく、静かすぎて、ひどく落ち着かない。
彼女はこういうところが本当に苦手だった。ビルの誰もいない広い階段や、何も物がない廊下など、そういうところに一人でいるのは、何か出てきそうだという恐怖を誘った。
なぜそういう空間に恐怖を抱くのかはわからないが…今は、自分が捕らわれている身だから、余計に恐怖を感じるのかもしれない。
そのまま、背もたれに少し頭を預けながら目を閉じた。
…当然、恐怖と緊張で、さっきのように眠れるわけもない。
「…?」
だが、少し楽になったような気がして目を開け体を起こそうとすると、再びあの頭痛がして、頭を絞められたような感覚になった。
休んでは体を起こそうとするのだが、また頭の中がガンガンしだして、時間を追うごとに少しずつ酷くなり、だんだんと気分が悪くなる。
…そして、またすぐに、座った状態に戻ってしまった。
熱でも出たのだろうか。それにしては、悪寒はなく、他に体調が悪いような感覚もない。
今は、ただただ、頭痛が酷くて、気分が悪かった。
――――― C棟
階段を登って二階へと上がった灰児とタロウの二人は、見張りがいないか慎重に進み、棟を繋ぐコンコースを見つけた。
「…そこ、書いてある。」
「向こう、なんだな…。」
通路の向こうに天井から下がる板には、向こうがB棟であることが書かれている。
この先がB棟。そしてB棟のホールに行けと、あの浪人が言っていた。
恐ろしく静かだったが、見張りがいないのが少し不自然にも思える。
もしかしたら、この先のB棟ホール周辺に、見張りが集結しているのかもしれない。二人は、またそっと、あまり音を立てないよう、かつ素早く、歩いてそのコンコースを抜けていく。
ホールの場所がわからなかったが、運のいいことに、そのコンコースを抜けた反対側から近いようだ。
この通路の窓、雑に貼られた段ボールの間から見える外の景色の中に、何となくそれらしきものを確認することができた。
だが、順調かと思われた二人が、コンコースを抜けて窓からホールが見えた方へと歩いていたとき。
「…誰だ!?」
その声は少し遠くからだったが…見つかったことを一瞬にして悟ると、先を行く灰児に続き、タロウも走り出した…。
