十章
――――― 見知らぬ部屋
自身の身体が置かれていたベッドから立ち上がり、かかっていた布団を無視してゆっくり一歩を踏み出したミミドリは…。
「…!!」
震えながら数十秒かけて歩いたその先に、奇妙なものを見た…。
テーブルとソファーがある方へ近づくと…向かって右手、もともと寝ていたベッドで頭が向いていた方の壁が、さらに奥へとくぼんでいた。物が置かれている方は、部屋が広くなっていたのだ。
そして、ベッドからは見えなかった部分…右へと顔を向けたところで。
…何やら、大きな大きな、長方形の枠がついた…電光掲示板…否、デジタルタイマーのようなものが、壁に埋め込まれていた…。
まだそれは灯っておらず、数字も表示されてはいないが、確実に、四つの灰色をした"8"の形が、そこにある。
これは、一体何なのか。何の数字を表示するためのものなのか。もしかしたら、今は関係ないものかもしれないが…。
不気味な光景に、彼女の足は、立ったまましばらく固まっていた。
――――― 一方、双子兄妹…。
「…。」
ショックを受ける妹、結蘭の前で、結蓮は静かに続けた…。
「…タロウと一緒に出て行ったじゃない…?もしかしたらタロウ…あの子と一緒に捕まったんじゃないかと思って…。昔いろいろあったみたいでしょ…?」
「……助けに行きたい…。」
「…。」
ぽつりと零す結蘭に、ダメだと言葉を発するべきところであろうが、今の結蓮にはそれができない。
しかし、考えたところで、こんな二人が敵陣に乗り込めるわけがないだろう。
「…それはできないよ…。」
同じくタロウの親友として、結蓮も辛くて仕方がなかった。
おまけに、今は、義理の妹であるミミドリも、恋人や軍を脅すための人質として敵に捕まっていると…。
「今は待ってよう…?」
辛そうに下を向く妹に、今はこれしか言えることが見つからない。
そっと結蘭の頭を撫でて。
「……きっと帰ってくるよ。」
...
