一章
走りながら一列に並んでいくそのダミー車含めた数台が行く先は、とある建物。
いくつも道を曲がるうちに、徐々に、一目で管理の厳しいとわかるような、整備された道路へと抜けていく。その先、少し遠くに見える、コンクリートの高い壁で囲われた場所が、一行の目的地だ。
その壁の中へ…アーチ状になった入り口から、その車たちが一台ずつ、入っていった。
車の扉が開き、降車して歩くいくつもの革靴。
その中に、一つだけ、周囲にどこか、守られているような、監視されているような、そんな複雑な距離感を保ちながら、四人ほどの革靴に囲まれて、一人の革靴が歩く…。
施設の静かそうな個室の中。一人の軍人が窓から下を、見下ろすように眺めた。
目的の車、目的の人物が入ってきたのを見て、時間が来たと覚悟を決めたように…。同じ部屋、扉の方にいる部下と思しき者たちへ顔を向ける。
「いよいよだ。」
「…本当に大丈夫なんですか?」
何を思ってか、不安そうな部下二人だが、
「きっと大丈夫だよ…。勘違いはしないでくれ。君たちを退けるのは、もしもの時に犠牲を最小限に抑えるためってのもあるからね。」
問題ないと、真っ当な言葉を並べられ、なだめられていた。
「…過剰な心配はいいから。君たちはあいつがここへ来たら、すぐにこの部屋から離れて、他の任務にあたってくれ。その方が効率もいい。」
革靴を履いた集団が、ある程度の感覚を保ちながら、ぞろぞろと。しかしゆっくりと。建物の中へと入っていく。
列の先頭の四人は、あえてエレベーターには乗らず…わきの壁に掃けるようにして止まり、後続する"その人物"を囲んだ四人と真ん中の一人が、乗る。
壁に掃けた四人は、扉が閉まるまで、その四人を守るように、大きな銃を携えていた。
部屋の、わずかな沈黙を破る、エレベーターの方からの足音。
「来たな。」
軍人は小さくそう言うと、もう一度、部下二人に目をやった。
扉が開き、その人物を連れてきた四人と、部屋にいた彼の部下二人が、人物が部屋に入るのを見届ける。
その脚が、軍人…ハリーの前まで来て、静かに座った。
出されていた命令通り、連れてきた護衛や部下たちは、そのまま部屋を去る…。
目の鋭いその男は、どこか横目で周囲を見ているようだった。
足音が消え…。ハリーが口を開く。
「まず、ここまで来てくれて、感謝してるよ。先に礼を言う。」
無言でいる目の前の男に対して続けて出る言葉。
「…緊張してたんだ。」
ハリーの前、椅子に座り、少し嗤って返事をする男は…。
「…いきなり凶暴になると思ってもらっちゃ困るな。」
ウェーブの金髪をした…クールだった。
...
いくつも道を曲がるうちに、徐々に、一目で管理の厳しいとわかるような、整備された道路へと抜けていく。その先、少し遠くに見える、コンクリートの高い壁で囲われた場所が、一行の目的地だ。
その壁の中へ…アーチ状になった入り口から、その車たちが一台ずつ、入っていった。
車の扉が開き、降車して歩くいくつもの革靴。
その中に、一つだけ、周囲にどこか、守られているような、監視されているような、そんな複雑な距離感を保ちながら、四人ほどの革靴に囲まれて、一人の革靴が歩く…。
施設の静かそうな個室の中。一人の軍人が窓から下を、見下ろすように眺めた。
目的の車、目的の人物が入ってきたのを見て、時間が来たと覚悟を決めたように…。同じ部屋、扉の方にいる部下と思しき者たちへ顔を向ける。
「いよいよだ。」
「…本当に大丈夫なんですか?」
何を思ってか、不安そうな部下二人だが、
「きっと大丈夫だよ…。勘違いはしないでくれ。君たちを退けるのは、もしもの時に犠牲を最小限に抑えるためってのもあるからね。」
問題ないと、真っ当な言葉を並べられ、なだめられていた。
「…過剰な心配はいいから。君たちはあいつがここへ来たら、すぐにこの部屋から離れて、他の任務にあたってくれ。その方が効率もいい。」
革靴を履いた集団が、ある程度の感覚を保ちながら、ぞろぞろと。しかしゆっくりと。建物の中へと入っていく。
列の先頭の四人は、あえてエレベーターには乗らず…わきの壁に掃けるようにして止まり、後続する"その人物"を囲んだ四人と真ん中の一人が、乗る。
壁に掃けた四人は、扉が閉まるまで、その四人を守るように、大きな銃を携えていた。
部屋の、わずかな沈黙を破る、エレベーターの方からの足音。
「来たな。」
軍人は小さくそう言うと、もう一度、部下二人に目をやった。
扉が開き、その人物を連れてきた四人と、部屋にいた彼の部下二人が、人物が部屋に入るのを見届ける。
その脚が、軍人…ハリーの前まで来て、静かに座った。
出されていた命令通り、連れてきた護衛や部下たちは、そのまま部屋を去る…。
目の鋭いその男は、どこか横目で周囲を見ているようだった。
足音が消え…。ハリーが口を開く。
「まず、ここまで来てくれて、感謝してるよ。先に礼を言う。」
無言でいる目の前の男に対して続けて出る言葉。
「…緊張してたんだ。」
ハリーの前、椅子に座り、少し嗤って返事をする男は…。
「…いきなり凶暴になると思ってもらっちゃ困るな。」
ウェーブの金髪をした…クールだった。
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