六章
6...
「まったくねぇ。あの人たち、困っちゃうわね。」
あれからしばらくして…。ミミドリの部屋で、落ち込むミミドリを結蓮が慰めていた。
「板挟みになる人の気持ちも考えて欲しいわ。」
「…ん~。」
「タロウはともかくとして…彼ももうちょっと穏やかになって欲しいわね。」
「…しょうがないよ。」
「…すぐそういうこと言うんだから。」
彼女のため込んでいるようにも見えるその態度は、結蓮の不安を誘った。
彼女が優しくもあり、そしてまた怖がりでもあることは、この場合、弱みになりやすい。
「あんた、もしあの人たちがケンカになったら、止めらんないのよ?」
「…うん…。でも二人とも私のこと心配してただけだよ。」
「それにしても、こんな怖がりさんがいる前でケンカするなんて、ちょっとどうかしてるわ。」
しかし、クールがこれまでどういう世界で生きていたのかを考えると、彼女もなかなか態度を変えることができないのだった…。
一週間後。あの重たい扉の前。
以前のことがあった手前、ミミドリは入るのに戸惑った。
「…大丈夫だよ、俺がいるんだから。まだ手ぇ出してはこないよ。」
そう言って扉を開けるクールについていくと…。
仲間の姿はあるものの、"あの人"が見当たらなかったのだ。
あの人がいたらいたで、何かモヤッとしたものを感じていたであろう…というのもまた事実ではあるのだが、いなければいないで、考えていることはだいたい当たっていると、そう思わざるを得ない。
とりあえず…話をしていた不良と目が合うと、軽く会釈をする。
「…よ~。こないだはサンキューな。」
後ろの彼はと言えば、不良と会話をしている彼女を見て内心むっとしている。
これが正真正銘、あいつの言ったヤキモチというやつなのだ…。認めたくはなかったが。
「またこれでランキング埋めに来たの?」
「いや、そういうわけでは…。」
そんな会話が繰り広げられる中…彼がそっと後ろを確認すると。
扉がほんの少し開いていて、光が漏れていた。そしてその隙間はすぐに閉じていく…。
「あいつ、残念だな~。よりによって来てないとか。」
「あのダテメガネな、最近忙しいらしいよ。大事な研究があるとか言ってさ。よく分かんねぇんだけど、理系って言ってたよね。」
それを聞いた彼は、あの男が敵だというこちらの予想が大幅的中していると察した。
そして、その帰り…。
薄々彼が抱いていた嫌な予感が、現実となった。
彼女の手を握って、慎重深く歩いていたときのこと。
歩いていた通りに繋がる路地から飛んでくる年老いた大声が、唐突にその場の空気を一変させる。
「こらぁ!そんなところで、何しとる!」
「まったくねぇ。あの人たち、困っちゃうわね。」
あれからしばらくして…。ミミドリの部屋で、落ち込むミミドリを結蓮が慰めていた。
「板挟みになる人の気持ちも考えて欲しいわ。」
「…ん~。」
「タロウはともかくとして…彼ももうちょっと穏やかになって欲しいわね。」
「…しょうがないよ。」
「…すぐそういうこと言うんだから。」
彼女のため込んでいるようにも見えるその態度は、結蓮の不安を誘った。
彼女が優しくもあり、そしてまた怖がりでもあることは、この場合、弱みになりやすい。
「あんた、もしあの人たちがケンカになったら、止めらんないのよ?」
「…うん…。でも二人とも私のこと心配してただけだよ。」
「それにしても、こんな怖がりさんがいる前でケンカするなんて、ちょっとどうかしてるわ。」
しかし、クールがこれまでどういう世界で生きていたのかを考えると、彼女もなかなか態度を変えることができないのだった…。
一週間後。あの重たい扉の前。
以前のことがあった手前、ミミドリは入るのに戸惑った。
「…大丈夫だよ、俺がいるんだから。まだ手ぇ出してはこないよ。」
そう言って扉を開けるクールについていくと…。
仲間の姿はあるものの、"あの人"が見当たらなかったのだ。
あの人がいたらいたで、何かモヤッとしたものを感じていたであろう…というのもまた事実ではあるのだが、いなければいないで、考えていることはだいたい当たっていると、そう思わざるを得ない。
とりあえず…話をしていた不良と目が合うと、軽く会釈をする。
「…よ~。こないだはサンキューな。」
後ろの彼はと言えば、不良と会話をしている彼女を見て内心むっとしている。
これが正真正銘、あいつの言ったヤキモチというやつなのだ…。認めたくはなかったが。
「またこれでランキング埋めに来たの?」
「いや、そういうわけでは…。」
そんな会話が繰り広げられる中…彼がそっと後ろを確認すると。
扉がほんの少し開いていて、光が漏れていた。そしてその隙間はすぐに閉じていく…。
「あいつ、残念だな~。よりによって来てないとか。」
「あのダテメガネな、最近忙しいらしいよ。大事な研究があるとか言ってさ。よく分かんねぇんだけど、理系って言ってたよね。」
それを聞いた彼は、あの男が敵だというこちらの予想が大幅的中していると察した。
そして、その帰り…。
薄々彼が抱いていた嫌な予感が、現実となった。
彼女の手を握って、慎重深く歩いていたときのこと。
歩いていた通りに繋がる路地から飛んでくる年老いた大声が、唐突にその場の空気を一変させる。
「こらぁ!そんなところで、何しとる!」
