とある朝
横でもそもそ動いてるから、きっと起きて眠れなくなったんだろう。
「…起きちまったのかい。」
「……。」
小さく頷いて返事をしたのが見えた。
そうは言っても、時間を確認するともう朝方…。あと1時間くらいで起きる時間だった。
当のこいつはと言うと、そっぽ向いたかと思えば、何か手元の携帯で見ながら鼻でため息をついてる。
もちろん、俺の前でそんなことするような人間は、他にはいない。
これは、この一人の気の抜けた、俺のことを信用しきっている人間といるときだけに見られる光景…。
面白いから、しばらくその横になった後姿を眺めていたら、後ろからでもわかるあくびを、画面を見ながら何回もしている。
いつまでやってるんだと…。手を伸ばして、上側になった左肩に手を置いてみた。
「…ん?」
呑気そうな声と「…ちょっと待って…。」という返事が返ってきた。
そのまま画面を閉じて、今度は伸びをしながらまたあくびをし出す…。
……まったく。
もうすっかり慣れたつもりでいたこの雰囲気も、全然そんなことはなかった。
伸びを終えてゆっくりこっちに向き直った背中を寄せたら、また不思議そうに「どうしたの?」とか「構って欲しかったの?」とか言い出した。
それが面白くて…。
こいつに言わせれば別に普通のことなんだろうけど。
「俺という人間がいながらそういうことするんだね、あんたは。そうかそうか。」
笑いながら静かに言い出した俺に、察しがついたようなついてないような、よくわからない感じの反応。でも何かされるとは思ってるようだ。
デコに垂れた前髪をどけて、キスをした。
「なんにもしないと思って油断したな?」
背中に腕を回して、そのまま目瞑ったところに、まぶた、頬とキスをしたら、小さく恥ずかしそうに悲鳴を上げている。
「…何かした?」
「…あんたがってこと?」
「…うん。」
これでもまだそんな質問で返すのかと思いつつ、「してない。」とだけ返事して、またその顔にキスをする。
「…何もしてないけど…。気が抜けてるなと思ってさ。」
時間はもう起きる予定の20分前。
「……起きる?」
横からそう声が飛んできて、しばらくして静かに頷いた。
…と同時に、
「…はい、よいしょ。」
「…?」
やっぱりまだ寝るとでも言いたそうなこいつの体を、持ち上げて起こした。
いきなり一緒に上半身を起こされてびっくりした、って感じの顔に、もう一回、キスしてやった。
「…起きちまったのかい。」
「……。」
小さく頷いて返事をしたのが見えた。
そうは言っても、時間を確認するともう朝方…。あと1時間くらいで起きる時間だった。
当のこいつはと言うと、そっぽ向いたかと思えば、何か手元の携帯で見ながら鼻でため息をついてる。
もちろん、俺の前でそんなことするような人間は、他にはいない。
これは、この一人の気の抜けた、俺のことを信用しきっている人間といるときだけに見られる光景…。
面白いから、しばらくその横になった後姿を眺めていたら、後ろからでもわかるあくびを、画面を見ながら何回もしている。
いつまでやってるんだと…。手を伸ばして、上側になった左肩に手を置いてみた。
「…ん?」
呑気そうな声と「…ちょっと待って…。」という返事が返ってきた。
そのまま画面を閉じて、今度は伸びをしながらまたあくびをし出す…。
……まったく。
もうすっかり慣れたつもりでいたこの雰囲気も、全然そんなことはなかった。
伸びを終えてゆっくりこっちに向き直った背中を寄せたら、また不思議そうに「どうしたの?」とか「構って欲しかったの?」とか言い出した。
それが面白くて…。
こいつに言わせれば別に普通のことなんだろうけど。
「俺という人間がいながらそういうことするんだね、あんたは。そうかそうか。」
笑いながら静かに言い出した俺に、察しがついたようなついてないような、よくわからない感じの反応。でも何かされるとは思ってるようだ。
デコに垂れた前髪をどけて、キスをした。
「なんにもしないと思って油断したな?」
背中に腕を回して、そのまま目瞑ったところに、まぶた、頬とキスをしたら、小さく恥ずかしそうに悲鳴を上げている。
「…何かした?」
「…あんたがってこと?」
「…うん。」
これでもまだそんな質問で返すのかと思いつつ、「してない。」とだけ返事して、またその顔にキスをする。
「…何もしてないけど…。気が抜けてるなと思ってさ。」
時間はもう起きる予定の20分前。
「……起きる?」
横からそう声が飛んできて、しばらくして静かに頷いた。
…と同時に、
「…はい、よいしょ。」
「…?」
やっぱりまだ寝るとでも言いたそうなこいつの体を、持ち上げて起こした。
いきなり一緒に上半身を起こされてびっくりした、って感じの顔に、もう一回、キスしてやった。
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