魔の記念日、唯一の幸せ

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10.31. P.M.18


小屋にいた人数は最初に見た奴を含めて四人だが、そいつら全員大したことない奴らだった。
他の三人はもう俺の足元に倒れて、俺はそのうちの一人から奪った鉄パイプを持っている。

「頼む…頼むよ、お、俺は…。」
当のストーカーは、奥の壁に逃げてへたってやがる。
あいつの周りに俺がいたことは知ってたろうに。こんな顔して、本当にバカだな…。

「…通りであんたをよく見かけたわけだ。」
「…違う…!俺は…。」

きっとこいつはこき使われていたんだろう。ということは、俺がいたことを知っていてもこの三人に強行されていたか、この三人には言わなかったか、そのどっちかだ。
起き上がろうとした一人を踏んで押さえる。
「ぁ…ぁぁ…。」
「狙う相手を間違えたのか。相手が俺だってわかっててあいつを狙ったのか。まぁ、どっちにしても、貴様らには脳がねぇな…。」

…こんなにすぐ倒れるくらいなのに、これじゃあ勝てなくて当然だろう。

「…っ!?」
これ以上こんな奴らの相手をするのも時間の無駄だ。ビビるストーカー男の前で鉄パイプも投げ捨てた。
そうは言っても、許したわけじゃあない。

「もう二度と手出すなよ…。次あいつをつけ回したらタダにはしないからな。」
鉄パイプを蹴り飛ばしてそこを出た。

さっさと地上に戻って、はやく顔を見に行こう。
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