二章
――――――――その頃
「…朝になっても帰ってこなかったわね。」
「本当にいなくなっちゃったのかな…」
「自分で家出したんじゃないんでしょ?やっぱり何かあったのよ!」
兄妹が、いなくなったミミドリを捜し、帰りを待っていた。一体どこに行ったのか、今どこにいるのか、全くわからない。それどころか、次の日になっても帰ってこないのだ。
自分たちだけでは、捜せる範囲は周辺の一帯に限られていると考えた兄妹が、助けを求めた人物。それは…。
「…こんにちは、お二人さん。」
「ハリーさん!」
ハリー・ネス。軍隊の小体隊長をしており、このエデンの治安に関わる仕事もしている人物で、二人とは以前からの知り合いだ。
「いなくなった子について、わかったことがある。真剣に聞いてくれ。」
「…はい。」
「…えぇ。」
「まず一つ……彼女は、一言で言えば、表と裏の両方から、目をつけられている存在だ。」
「……」
どこか、含みのある、そして心当たりのあるような一言を聞き、二人は黙り込む。
「詳しく言う前に、説明しておかなきゃいけないことがあるんだな、少し長くなるけど聞いてくれよ。」
ハリー曰く、第三区にて高層ビルを持ち、表面と裏面の両方を持つ、"カルロス"が、世界を牛耳るための企みを進めるために動き始めているそうだ。
ハッキングなども行っており非常に厄介な存在で、それ故に少し前から調査を強化されていたそうだが、最近流れた、数々の人物を狙っているという噂により、いよいよ、確保もしくは暗殺しなければならない存在となった。
「……そして、そのカルロスがおそらくあの子にも目を付けていたんだ。」
「…!」
「…それは、どうして?」
いきなり大変な話を聞いて、二人は混乱するも、ユイレンには、うっすらと心当たりがあった。あの、彼女が泣いていた日のことを思い出したのだ。
確か、危ないからもう離れていろと、クールに言われたはずだ。だが、もしかしたら何か関係があったのかもしれない…。そう考えた。
彼がそう言ったのは、目をつけられていることをわかっていてそれを防ぐためだったのか…?それとも、自分が危険な場所に乗り込むことを見越して、彼女を離したのか…?
「なんで奴に目をつけられてるかは、正直なところ俺たちもよくわからない。でも……彼女は黒い翼のクールとも関係があることが疑われてるんだ。」
この言葉を聞いた二人は思わずはっとした。
「だから、そういう意味で、こっち側からも、疑われてる子なんだよ。カルロスは、奴を潰したいとは思ってるだろうから、我々より先に動きたかったんじゃないか?」
ユイレンはこのとき、言おうかどうか迷ったが、秘めていたことを言おうと決めた。
「……あの子…本気でクールが好きだったのよ……きっとあの人も一緒だわ…」
「二人について知ってるのか…?」
ハリーは少しだけ険しい顔になった。当然だ。
「結蘭にも言わなかったことがあるんだけど……」
「え…?お、オレも聞いてないことって…?」
「…実はね、あの子……この前、一人で泣いてたの見たでしょ…彼にもう離れろって言われたからなの…」
「…朝になっても帰ってこなかったわね。」
「本当にいなくなっちゃったのかな…」
「自分で家出したんじゃないんでしょ?やっぱり何かあったのよ!」
兄妹が、いなくなったミミドリを捜し、帰りを待っていた。一体どこに行ったのか、今どこにいるのか、全くわからない。それどころか、次の日になっても帰ってこないのだ。
自分たちだけでは、捜せる範囲は周辺の一帯に限られていると考えた兄妹が、助けを求めた人物。それは…。
「…こんにちは、お二人さん。」
「ハリーさん!」
ハリー・ネス。軍隊の小体隊長をしており、このエデンの治安に関わる仕事もしている人物で、二人とは以前からの知り合いだ。
「いなくなった子について、わかったことがある。真剣に聞いてくれ。」
「…はい。」
「…えぇ。」
「まず一つ……彼女は、一言で言えば、表と裏の両方から、目をつけられている存在だ。」
「……」
どこか、含みのある、そして心当たりのあるような一言を聞き、二人は黙り込む。
「詳しく言う前に、説明しておかなきゃいけないことがあるんだな、少し長くなるけど聞いてくれよ。」
ハリー曰く、第三区にて高層ビルを持ち、表面と裏面の両方を持つ、"カルロス"が、世界を牛耳るための企みを進めるために動き始めているそうだ。
ハッキングなども行っており非常に厄介な存在で、それ故に少し前から調査を強化されていたそうだが、最近流れた、数々の人物を狙っているという噂により、いよいよ、確保もしくは暗殺しなければならない存在となった。
「……そして、そのカルロスがおそらくあの子にも目を付けていたんだ。」
「…!」
「…それは、どうして?」
いきなり大変な話を聞いて、二人は混乱するも、ユイレンには、うっすらと心当たりがあった。あの、彼女が泣いていた日のことを思い出したのだ。
確か、危ないからもう離れていろと、クールに言われたはずだ。だが、もしかしたら何か関係があったのかもしれない…。そう考えた。
彼がそう言ったのは、目をつけられていることをわかっていてそれを防ぐためだったのか…?それとも、自分が危険な場所に乗り込むことを見越して、彼女を離したのか…?
「なんで奴に目をつけられてるかは、正直なところ俺たちもよくわからない。でも……彼女は黒い翼のクールとも関係があることが疑われてるんだ。」
この言葉を聞いた二人は思わずはっとした。
「だから、そういう意味で、こっち側からも、疑われてる子なんだよ。カルロスは、奴を潰したいとは思ってるだろうから、我々より先に動きたかったんじゃないか?」
ユイレンはこのとき、言おうかどうか迷ったが、秘めていたことを言おうと決めた。
「……あの子…本気でクールが好きだったのよ……きっとあの人も一緒だわ…」
「二人について知ってるのか…?」
ハリーは少しだけ険しい顔になった。当然だ。
「結蘭にも言わなかったことがあるんだけど……」
「え…?お、オレも聞いてないことって…?」
「…実はね、あの子……この前、一人で泣いてたの見たでしょ…彼にもう離れろって言われたからなの…」
