四章


―――――――――同ビル40階。

廊下を走るクールと灰児の二人は、上に登るための手段を探した。
おそらく階数の差からしてエレベーターしかないだろう。
廊下をまっすぐに走って突き当たりを左に曲がると、先にエレベーターが見えた。

迷っている暇はない。
もう既に狙われている可能性もあるが、特に隠れられるところもないので、一直線にそのエレベーターへと走る。
階数が非常に多いため、4台もあるエレベーター。どうやら右端と左端のもののみ、最上階まで行くようになっているようだ。

ふと、右端のエレベーターに目をやった灰児。そのエレベーターが、動いていることに気付く。
誰かが動かしていると考えれば不自然ではないような気がするのだが、カルロスは屋上にいるはず…。それとも、先ほどの音で、自分たちが来たのを知って、狙う奴らが行動を開始したのだろうか?
もしそうなのだとしたら、急がなければならないのは事実だ。しかしそのエレベーターも上に向かっている…?

そんなことを考えているうちに、左端のエレベーターが開いた。
周りに誰もいないことを確認すると、開いたエレベーターにすぐに乗り込み、扉を閉める。
あとは、最上階まで誰も乗り込んでこないことを祈るのみ。


エレベーターの中を支配していた沈黙を先に破ったのは、灰児だった。

「…右端のが動いてたぜ?」
「……どういうことだ?」
「さあな……でもそっちも上に動いてやがった……奴らが仲間でも呼んだってことか?」
「いや、もしかしたら軍隊かもな……」
「…お前まさか、こんなところに侵入しながら外まで確認したのかよ?」
「当たり前だ。普段からそれぐらいするよ。」
「……さすが。やっぱり噂通りだな。」

そう会話する二人だったが、やはりそれぞれに、侵入する前の会話を思い出し、嫌な予感を持っていたことは事実だった。
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