私の、大事な家族の一人、それは、たまに一緒に寝てる、熊のぬいぐるみ。
一応、手を入れて動かせる、いわゆるパペットってやつ。ただあんまり手を入れて動かしたことはない。
朝目が覚めて、布団の中でもぞもぞしながら、寝相で自分のお腹のあたりに行っちゃったクマちゃんを抱きしめ直して、二度寝した。

…あんまり表には出してない。なんとなく、恥ずかしいから。
あと…ヤキモチ焼かれそうだったから。
結蓮と結蘭もはじめは私が一緒に寝てるって知らなかったんだけど、あるとき私が一人で寝てるのを起こしに来て、私が一緒に寝てたから、ちょっと笑いながら「可愛いねぇ。」って言われて、かなり恥ずかしかった…。

一緒に寝ないときは、どこかに座らせておくんだよ。
でも今日の私はというと…なぜか、起きたあと、布団を直すとき、枕に頭乗っけて寝かせたクマちゃんに、布団をかけていた…。
そのときは、ただ可愛かったからそうしただけだったけど、これでクールにまでそういう趣味ってバレるなんてこと、1ミリも考えてなかった。

「…お、なんか寝てる。」
布団から顔だけ出てるクマちゃんを見てそう言われたとき、あ～しまったなぁと思ったよね…。
「あ、それ…。」

ぬいぐるみと寝てるなんて言うのはあまりにも恥ずかしいので、言葉に詰まる。
「いつも座ってたやつ？」って聞かれて頷いてたら、近くにいた結蓮が「たまに一人のとき一緒に寝てんのよ。」って笑いながら口を挟んできて…それは言うな…！って思ったけど、結局口には出せず…。

「そんなに寂しい？」
…ニヤニヤしながら聞かれてしまった…。
「…うん。」
恥ずかしさが爆発しているのはもうバレバレだろうな。どう答えたらいいのかうまく考えられない。

そしたら、クマちゃんを持って渡された。
…なんだろう？と思ってクマちゃんを軽く抱っこすると。
その上から抱きしめられて、急激になんか照れくさい。
もっと笑われるとか、むっとされるとか、そういう展開かなと思ったけど、そうじゃなかった…。
…いや、笑われてるし！むしろ抱っこしてるのをさらに抱っこされてるのが恥ずかしいんですけど…！

それからは、マトリョシカみたいな入れ子状態というか…サンドイッチみたいな状態というか…そんな感じで寝ることも多くなった。起きてる時、お互いに、クマちゃんを動かしてちょっかいをかけることもある。

でも、やっぱり。寝るときにどこかに座らせてると「一緒に寝るんじゃなかったのかい？」って笑いながらわざとらしく言われて渡されるのは、ちょっと気恥ずかしい気持ちになるんだよね…。