Inferiority Complex of Indecisive Crybaby

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Sad Violent Flow is
   Gushing from Giant Pile
〜濁流湧き出す鉄ゴミの山〜

最大を10とすると…
【攻撃性】0〜1(あっても限りなく0に近い)
【危険性】10(故意に攻撃をすることはないものの、探しに来た者を拒む、水の激流と崩れて流れるゴミやガレキの危険性が、極めて高い)

誰もいない、自身を知る者の手が届かない、遠いところに逃げた彼女の、成れの果て。
いろいろな色をした金属のゴミや投棄物などを寄せ集めた、巨大なゴミの山の姿の魔物に変わってしまう。

魔物になる瞬間にその場所に結界が張られ、別次元に空間を生成、その後はその空間の中で力尽きるまで泣いて、金属の山の中から湧き出す大量の水で、濁流を生み出し続ける。
時間が経つにつれて、巨大なゴミの山の体を形成している物が、ぽろぽろと少しずつ剥がれ、崩れていき、それは激流の中に落ちて、ゴミやガレキとなりどこへともなく流れていく。
体は徐々に小さくなっていき、崩れ続けた末にガラクタ山となった本人は泣きつかれて弱り、山は水の流れに耐えきれなくなる。残った鉄くずが一気に崩れ落ちて、その結界ごと崩壊を遂げる。

崩壊前に見つけて空間へ入ることができても、目の前の景色いっぱいに広がって見えるほどのゴミの山は、はるか遠くにある。
激流で近づくことが困難なため、救うことは不可能だと言える。手段があるとすれば大声で呼びかけることくらいだが、距離が遠く水の流れる音にかき消されてしまうため、その声が届くかどうかはわからない。
声が届いたとしても、湧き出る水が激しくなり、近づけなくなってしまう。

崩壊後は、何もなかったかのように、跡形もなく消え、その空間に入っていた者は、記憶こそ持っているものの、濡れていない状態に戻され、もともと結界があった場所に帰される。

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中途半端に良心を持った、決断力のない、惨めに泣き崩れる存在。
気持ちが裂けたような状態で、2つ以上の考えが存在しているため、行動に迷い、ときに矛盾を招き、混乱する。
結局何もできないか、自信喪失や自暴自棄などの状態に陥る。他人にその姿を見せることもせず、かといってあたることもできず、一人で泣き続ける。

悩み始めると、それを他人に対してどう見せていいかわからず、一人で抱え込む。
その原因となった対象から追い詰められ、未来への悲観視が溢れて、錯乱したのち、逃げ出してひたすら一人になろうとする。
助けが欲しい気持ちとどこかに消えたい気持ちが両立しており、逃げ出したことへの罪悪感に押しつぶされそうになっているため、自分がどうしたいのか、どうなりたいのかも、よくわからなくなる。

どこかから助け舟が出るまで、何もすることができず、もし誰も助けに来なければ、そのまま衰弱するか、災難に遭うことによって、死んでしまう。
一人で泣いている間は、誰かに見つけられることも拒む気持ちがあるが、見つけられても逃げることもできない。


錯乱状態は、自身にかかる負荷があってもなお存在する彼女なりの良心(悪く言えば諦めとも取れる心)と、ストレスや恐怖によって助けや環境改善を求める心が、ぶつかり合うことによって起こされる。また、自身の弱みを他人に見せられない、という思いも加わっている。
この悪循環は、特に、彼女が他人に対して向ける顔を考えていることによるもので、良く言えば真面目に考えているということになるのだが、悪く言えば見栄を張っていること、自分の良心によって自分の傷が増えていくことでもある。
追い詰められた自分の気持ちを表に出したとき、周りからどう見られるのかを考えすぎてしまう。
ここから、彼女の行動を抑えている他人への顔である良心は、実は「良心」とは少し違ったものも含んでいることもわかる。

酷い目にあってもまだ良心や他方への顔が消えないのは、彼女にはちゃんと愛をもらって生きた時間があるからで、その経験と辛い経験に裂かれるように、物事を決められなくなってしまう。

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