Divide or…

少し雲がかかった夕方。

会うのは数日ぶりくらいだから、そう間が空いたわけでもない。
あの兄妹が、目当ての奴は外にいるって言うから、見慣れた外階段のある道を歩いてた。

適当に探そうと思って、脇にある明るい路地に入る。視界の先にある路地奥に、屈んでいる、大小の、二つの背中。
一つは俺が探してた相手、もう一つはそいつの友人…タロウとかいう奴だった。
果たして人なのかどうか怪しいところではあるが。

気になったのは、なにやら神妙な雰囲気をしてたこと。

「…おい。」
歩いて近づきながら、その静かな空気に向かって声をかける。
「…あ、ごめん、来てたんだ。」
「ひ、久しぶりだな。」
二人はふり返って立ち上がりつつ、俺に返事をした。

「なんかあったのか?」
そう興味本位で聞いてる俺の目に入るのは、二人の奥から目を開いて俺を見つめてくる猫たちの姿。
「いなくなった子がいて…。」
「その猫、いつもここにいる。でもここ数日、来なかった。」
「それで、ちょっとこの辺探してた。」
まぁ、聞いてもどうしようもないのはわかった。というよりも、少し、悪い予感がした。ただ、それを悟った上で言わないのかもしれない…と思った俺は、特に何も踏み込むことはなかった。

…その予想が的中して、思ったよりかなり早く目の前に現れるとは、考えもしなかったけど…。

タロウと別れて、もと来た道を更に進んだところにある路地を一緒に歩いてたミミドリが、何かが転がっている路地奥を不思議そうに見た後、通り過ぎる前にそこに歩み寄って、屈んだ。
屈む背中から聞こえた声が、ただの落下物ではないことを表してる。もう一歩前に出て、その影から見えたものは。

…倒れている猫。
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