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旧詩


明日に届くような風を待っている。
静かな世界は僕の背中を押してくれはしないが、ただ昨日より優しい風が髪を揺らした。
「さあ歩き出せ、君。そして全てに臆す事なかれ。」

35回目の足音の先、僕は深く呼吸した。
彼女の声を思い出して、沢山の記憶を思い返す。

僕が僕である為に。

僕に対する矛盾を全て消し去る為に。
「己を信じよ、君。そして全てを忘れる事なかれ。」

強く吹いた風の龍に、今、誓いを立てる。



いつか来るその日まで、

僕が僕である為に。







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