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旧詩


密室エレベーター
カツン、カツンと響きわたる

苛ついている様子の彼女
何か殺風景な気がした

踵のうめく声が聞こえるような
そんな靴を履いて

それでも我慢する大人の気持
解るわけが無いけれど

彼女は足幅を大きくして
勢い良く歩きだした

閉じたエレベーターの扉は
分厚い

人の手と機械油しか知らない
冷たい密室

鏡に映る自分の声
どこまでも届く気配が無かった









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