旧詩
もう夏だというのに
冷たい指をしてる君に
ピアノの音がよく似合った
クーラーは止めないで
病に伏せるのが夢だから
風邪よりもっと凄い病気に
悪夢でうなされるのが夢だと
信じられない程白い肌に
精一杯の笑顔を見せた君
私の罪は償い切れないと
だから私は苦しむんだと
そう毎日毎日言う君に
何も出来ない悔しさ
何も出来ない悲しさ
自分の事しか見えてない
吐気がした
でも死なないで
クーラーを切って
君を抱き締めて
一瞬だけでも
君をそのまま愛したかった
自分の事しか見えてない
嗚呼何て臆病な僕
君よ願わくば死なないで
精一杯の笑顔を見せた僕
濡れる頬に気付いたのは
君の手が伸ばされた時
君の手が震えて
僕と君が届いた
まだ冷えきった世界に
ピアノの音がよく似合った。