旧詩
静かな世界に時計の針
誰かが歩いて床を軋ませた
私が息を止めた後に
呼吸をしていたことを知った夜
机の上に散乱するモノ
虫の声を聞きながら静かに
ページをめくる音が耳に届く
ただただ椅子に座ったまま
チーズ蒸しパンとチョコサンドクッキー
鈍い頭痛を連れたまま
小学五年生の主人公は
強くなった 成長した
私はどうだ?
本を読むのが早くなった?
とても虚しくなる
ただそれだけ
しかし時間は進んでいた様で
青い空にまた逢ってしまった
夜が終わらなければ良い
そんな願いは叶わない
月も見えない曇り空に
欲しいものは見付からなかった