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旧詩


7月の朝
もう夏かと思っていたら
やけに空気が澄んでいて

私の毒気を蒸気に変えて
手の形をした雲が見えた

窓から見える景色より
いくら大きいのか知らない私は
人ごみのせわしなさに
ただ呼吸をしつづけただけ

梅雨の雨が水蒸気になる頃
私の毒気がそれに混じって
ただ流れる雲になるの
そう思うと何だか嬉しくて

引き戻される人ごみの中
涼しい風が吹き抜けていった












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