旧詩
真っ昼間に外に出たんだ
駅近くの道を歩いてたんだ
下を向いて歩き出したんだ
賑わいの最中静かな路地裏
一匹の猫と一本のネジ
光が入らないそこで見つけた
一匹の猫と一本のネジ
一匹の猫は僕の友達
君の考えてる事はいつも解らん
僕と同じ気違いな君
欠伸がなんとも不細工だけど
僕が欲しいのは君の心
いつかお家に来てくれよ?
一本のネジは僕の一部
君の考えてる事はいつも解らん
僕と同じ馬鹿な君
傷がなんとも不細工だけど
僕が欲しいのはネジの入る穴
今じゃもう戻れない?
ヘイ!君 このネジ要らないかい
僕にはもう必要無いんだ
君の気違い治るかも知れない
僕の友達 猫にそう言う
「何言ってるんだそれはお前の
俺にゃあ穴が合わねぇさ
お前のだからそこに有るんだ」
…でも僕はもう要らないんだ
「何でさ人間」
世界と並んで生きるより
君と並んで生きる方が良いんだ
賑わいの最中静かな路地裏
帰路に出る僕は猫に言う
気違い結構楽しいからさ
ネジは右手に握られたまま
前を向いて歩いて見よう
猫は笑って後ろを向いた
また会う日まで
また会う日まで