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旧詩


満月が昇るその前に
やっておきたい事がある

天井の向こう
闇の夕暮れ

錆びれた勲章拳をやって
ジャンケンの無い時間が生まれる

右手左手彼女のうなじ
剣が刺さった血濡れの森で

誰かが歌うは色の無い歌
飲み込まれるのは画面の向こう

静かに静かに韻を踏んで
彼女の呼吸に恋をしている

繋がりたくないコードを抜いて
蝶々結びをいたしましょう

今日も祭りの太鼓が響く
夜が訪れひれを引き裂く

黄昏時に歌を唄おう
涙なぞ要らぬ明るい歌を

死に際の蝉も土に還って
冬を生き抜く糧となりましょう

月が昇って元気でいたら
僅かな痛みを感じていよう

笑い声さえ聞こえぬ夜に
何かを大事に出来れば良い

こうもりが泳ぐその夜に
白い月がほら空を歩く

夜から足音聞こえてきたら
街灯を全て消してしまおう

右目左目彼女の背骨
夜の帳がおりてく窓際

静かに静かに韻を踏んで
僕と彼女と朝を待とうか

朝日が昇るその前に
言っておきたいことがある













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