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旧詩


彼女は笑うのだ。
滑稽な世界を前に

何を望んでも
何も手に入らないと
分かっているからだ


彼女は泣くのだ。
滑稽な世界を前に

抑えきれない感情も
泣いてしまえば全て忘れると
知っているからだ


彼女は笑うのだ。
滑稽な世界を前に

人間が笑うのは
嘲りから来るものなのだと
思っているからだ


彼女は泣くのだ。
滑稽な世界を前に

感情が足りないのではなく
それ以外必要ないと
望んでいるからだ


彼女が滑稽だという世界は
とても汚く
人が溢れ返る世界


行き着くその先は
きっとまた
滑稽な世界


彼女が泣き
笑い
泣き
笑うのは

世界が
可笑しくて悲しいから
なのだそうだ













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