徒然
終りなんて最初から無い
いつかの旅人が言ったそうだ
どこのどの旅人が言った言葉か
知る術は
とっくに無くなったようだけど
人生で
一番大切な事を悟ったみたいな
そんな希望とも
絶望とも言えない状態で
自分は何がしたいのだろうか
紫色の朝顔がベランダで咲いた
絵の具の代わりにならないかな
と考えていた矢先で
シュルシュルと朝顔は枯れた
終りなんて最初から無い
いつかの旅人が言ったそうだ
どこのどの旅人が言った言葉か
知る術は
とっくに無くなったようだけど
朝顔は枯れたままで
立ち去る私を待っていた
摘み採ってやる
来年も咲かないように粉々に
刻んでやる
これから終りをつくる狂気に
馬鹿らしさがつのっていく
そんな勇気も無いのは分かっていて
朝顔の鉢を蹴るふりをした
今日のところは見逃してやる
馬鹿らしさがつのっていく
終りなんて最初から無い
いつかの旅人が言ったそうだ
どこのどの旅人が言った言葉か
知る術は
とっくに無くなったようだけど
私が立ち去った後
朝顔はまた紫に咲いたらしい