薬をブチ込む三千回と
揺れる電車と嘔吐の光景

生傷の絶えない両手の甲と
ニキビの赤が痙攣している

爪が伸びて切ったら深爪
グシュリと聞こえた中指の関節

血が通うのを忘れた様に
噛まれた後に指を立てる

いきがるお前は何のため
さむがるお前は何のため

一重の瞼が睫毛をむしる
ピアノの音とバランスボール

黄緑の世界が瞳に焼けて
並んだ本を千切りだすのだ

人間お前は何のため
デパートお前は何のため

完成品は排水口へ
沢蟹が一匹連れ添って

余りものをレンジでチン
砕ける音だけ響きわたった