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大きな鞄を持った少女は
とても綺麗な目をして

“鞄で世界を表したい”
と よく分からない事を言っていた

少女は無知だった
それさえも知らぬ無知だった

小学生になった頃
掌握したいと願う世界は
予想以上に広く
そして更に広いと少女は知った

拾ったものを
鞄に入れたりしているだけでは
とても全てを知る事など
出来ないのだと知った

ある日
少女は遠くまで電車に乗って行き
帰って来なくなった

少女の両親は血眼になって彼女を捜した
彼女は世界を手に入れたのだろうか


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