詩
最初は人間だったけど
紙になってしまった
ペラペラで、風が強いと
横歩きしか出来なくなった
少し寝ていたら
体は水浸しで
千切られてしまっていて
全身を抱えるのが難しかった
千切れた所がヒリヒリした
仕方なく
目からひっこ抜いた
コンセントを銜えて
千切れてしまった体に
ぐるぐると線を巻いた
コンセントは生まれつき
差さっていた
水でしわしわになっていたので
ドライヤーで乾かした
ヘアアイロンも使った
全身が白くなって
全身がしょっぱくなって
ヒリヒリしていた理由が
海水だからなのだと知った
白ははたくと綺麗に落ちた
千切れた所は
まだ少しヒリヒリした
少し疲れるくらいの道を
ひたすら歩いて行き
セロテープがあったので
千切れた所を貼り合わせた
目にコンセントを差し直した
涙が少しでた
人間に戻れるかなと思ったけど
やはりそうじゃなかった
理由は知ってた