詩
大抵はなだらかな道を
私達は歩いていて
消えそうには見えない日々を
私達は歩いていて
区切られた小さな世界に
終わりが来ることも
また始まることも
ただ単純に知っていたけど
別れを告げることが
別れを告げられることが
こんなにも悲しくて
春には遠い寒さが
小さな世界と新しい世界との区切りポイントに
折り目を残す瞬間
旅立つ場所へ
少し恐いけれど
真直ぐ進めると信じている
大丈夫だと
強がってしまうかわりに
大粒の涙が
止まるのを許さない
旅立つ場所へ
沢山の人に言葉を告げて
校舎に向かって黄昏を一つ
大丈夫だと
強がってしまうかわりに
大粒の涙が止まるのを許さない
旅立つ場所へ
途切れない思いと
移り行く思いを
抱き続けていく
変わって行くことを
恐れないように、懸命に
「ありがとう、」と
呟く声を聞いた。
終