詩
苦しいのかもしれなかった
それと同時に
楽しくも、
嬉しくも、
虚しくもあった
いくら時間をかけても
この部屋は大して暖まらないけれど
それでも、冷える手足の指先が、気持よくもあった
灯の当たり具合いで
色が違って見えていても
同じものだと思えるのは
先入観のお陰だった
感情が振り切れる事の無いよう
慎重に見張っていれば
私はいくらでも
不安と安心の中に立てた
いくら時間をかけても
この部屋は大して暖まらないけれど
それでも、冷える手足の指先が、気持よくもあった
だからきっと
ただずっと冷たい指先が
目指すものだった
悲しいのかもしれなかった
それと同時に
悔しくも、
寂しくも、
冷静でもあったから
臆病者だと悟った