赤い空と黒い雲
ではなく

赤い紅と黒い線
刺繍の糸と唇の上
女が女で在るために
見せかけ理論で夜を明かす

闇が隣に住み着くのはもう
慣れてしまって愛しくも無い
誰か灯りで照らしておくれよ
循環しない空気の中を

夢を野望を手に入れる
謙虚に笑う必要も無い
堅実さ何て邪魔なだけだと
したたかに生きる術を得た日


優雅に笑う
美しく舞う
道化と笑われてしまっても
琴の音は絶えず
白く塗られた肌を撫でる

萩の咲く月夜
誰かが眠る


嘘もいつか何かに変わると
言うなら最後に見せておくれよ

嘘が何かに変わると言うなら
あたしも何かにすがってみよう

雨が止むまでこの悪夢とは
さよならを言って何かを待とう

静かに暮れる夕陽に向かい
赤とは言えない朱を見つめて
紅の赤さを黒に沈める
萩の花もまだ枯れはしない


赤い空と黒い雲
ではなく

赤い紅と黒い線
刺繍の糸と唇の上
女が女で在るために
見せかけ理論で夜を明かす