詩
地に押しとどめる引力がないと気づいた
いつ欠けても滅んでも それが悪い理由がなかった
切り離すものが善意なら残りはゴミかパン屑か
優しくしたい 悪意を持たないでいたい
自分を救えないのなら他人様に救われたい
立ち直れないことを重ねても
臓腑のわななきは出会うたびに続く
幸せな君に幸あれと
比較しないでいられたのなら
私はすでに嫌悪に殺され 否定に悪を勝ち取られている
愛はなかったが好きはあった
そのたび肥大する卑下の言葉たちを
一身に受けては滅びを呪い
愛する資格がないのだと 奪われ続けていくのだと思った
虚ろな目をしているままに
美しい夢を見た
春は来ねど蝶が舞う秋
丁寧に仕舞っておいた心はチェストから溶出する
月を見るたびに泣いていて
ぼやけると思ったら目が悪くなっていた
減るという事が無常でも それしかないと言えたなら
愛はあるか 自分の中に