詩
乾かぬ血を臭わす国を
歩く時にも猫背の犬の人たち
憎しみを焼き殺し
濡れそぼった肩にすら戦争の歌が響く
ああ、あの空はこんな色をしていたか
別れは雨に訪れた
ひどく病んで眠れもしない夜が続き
死んで終うよりも簡単な事が
一つも無いように思われた
空虚を振りかざし 世界に倣う世界に
嫌気が差すたび脳を電飾で眠らせる
さて倣え右に さて倣え左に
悪行を善行へ 善行を悪行へ
大手を振って迎え入れるのは
仕方なしに、と牙を向く自衛
刺した剣を抜いたら きっと溢れる
雨はあれから降らない
もう止むこともない
降るのは何か
知っている 赤銅色の空が挽歌を聞いて