このサイトは1ヶ月 (30日) 以上ログインされていません。 サイト管理者の方はこちらからログインすると、この広告を消すことができます。


血がぬめり気を帯び、のどが渇くころ
絶縁体は燃え広がり、此岸の淵の火の粉に慄く
戦乱はどこか 覇道の使者はまだか
喚く声すら遠のくほどに
やむにやまれぬ悲鳴が響く
美しく絶えよ 挫折の王女
目に映るのは永遠の兆し
薔薇の香りと白い棺桶
おぞましい影は破壊の姿
委ねる彼は剣を持たず
集う部屋に嘲笑のふたつ
暗幕が深く両目を塞ぎ、行方も知らない涙を流す
もう二度と望めない 小さな光を見上げ続ける――……


落ちていくなと声がする
傘の開かれる音、私と共に落ちゆく誰か
名前をたずねてたずね返され再骨折の王女と名乗る
安楽浄土の嘘八百とゲロ甘フェイスの紳士が零す
悪者はだれ
>貴方のそばに二人 貴方が主役ならば
世界とは終わるの
>世界とは貴方 貴方が思うならば
貴方はだれ
>時を渉る紳士だよ☆
私は、私は、私は――……


血が乾き剥がれ、声が掠れて咽せるころ
夜を登り朝が来て、目覚める王女に彼は慄く
向けられた剣を叩き落とし
命乞いには切っ先を捧げ
よくもやったな、この外道どもと
魔王と勇者は地にひれ伏す
1日天下は王女に下り、外道を吊り下げ平和な世界

堅牢なる国 花咲く庭園
美しく仕えよ 草木の下僕
目に映るのは輪廻の兆し
薔薇の香りと鋏とじょうろ
おぞましい影は庭師の姿
手打ちの彼らは牙を持たず、女王のもとで花を育てる

不死の女王と千年の国
安楽浄土の嘘八百とゲロ甘フェイスの紳士は微笑む
白い棺桶と花の国旗を










176/180ページ
スキ