詩
ジップロック女と
墨の池 反射する遠い光
照明のない部屋がほしい
絶望に満ちたレンタカーに乗るより ガン保険に入りたい
エコノミーエコロジー
望まれて 生まれてこれたなら
それだけで泣かずに済むことがあるはずだけど
思うより高い天井がせまる
感情よりもけたたましい
音を立てる心臓が重い
鼻で笑われる みとめられない
忘れられる命を 著しく無駄に感じる
光の街はすぐそこなのに
きっと歩く道すらも
電車の乗り方さえ知らない
光の街はすぐそこなのに
この歩幅では三日はかかる
行かないことを決めるくらいなら
いっそもっと遠く
池の底にでも
大丈夫、ジップロック
ジップロック女