詩
重さと軽さと鮮度の違い
青春を老いて薄暗い森
沿って灯もなく走る夜に
嘘を吐いてごめんなさいと
私は銀貨が欲しかったような
今に気付く階段を上り
冷えた汗と乾いた後悔
恐ろしい事を投げ捨ててしまった
愛されるという不慮の罪悪
心にもない言葉から生まれる
遠い私のうつし身は消え
あの人は許してくださる
重りを抱えた身体ごと
あんなにも街が近い
灰の雲を吸い込んだように足が重い
朝は来るだろうか
朝が来るまでに迎えが欲しい
あの人でなく
いいえあの人の迎えを
何も乾いてなどいなかった
泥に濡れ土をまとう私の足で
かの汚れのない身体を
踏みつけてしまいたい心根を
醜い憎い愛の言葉を
もう会えないあの人を
会いたくもないあの人を
私はそれから逃げてきたような
あの美しい顔が許すと云う