詩
「ビルの再建が終わっても
2分程特集を組まれるぐらいなのだわ」
きっと風邪で死ぬのだわ
きっと惨めな顔をして
きっと君の不機嫌な顔を
きっと忘れずに死ぬのだわ
きっと二人とも運が良いから
きっと来年あたりで君は亡命
きっと賢い評論家さんが
事の裏を示唆して消えるのだわ
君が仕掛けた春色の爆弾が舞う時
私の声が爆音で掻き消される時
底辺を持たない二本の線が
所在無い空に"掛ける"を作る
「ビルの再建が終わっても
2分程特集を組まれるぐらいなのだわ」
きっと弔う人は居ないから
きっと誰も気にしない
きっと多分役に立つから
きっと何処かで祝福される
(君がどれ程の価値を持つのなら
私はどれくらいの長生きが出来るのかしら)
君は愛しているなんて言わない
私は君の死をも含めて愛したのだわ
大きな道路を挟んで隣向かい
二つのビルを向き合って倒す
君が"掛ける"を作るから
私は写真を撮るのだわ
(君がどれ程の価値を持つのなら
私はどれ程の長生きが出来るのかしら)
きっと風邪で死ぬのだわ
きっと惨めな顔をして
きっと君の不機嫌な顔を
きっと忘れずに死ぬのだわ
『5分は欲しい所だね』
小さな心を追いやりながら
君は笑って言うのだわ