詩
思い出して
夕暮れの空が美しいと微笑んだのは、いつの頃
向日葵の咲くのは今年の冬
夏の空の下に広がった黄色を今見ることは出来ない
春が来る前にコスモスが枯れる、金木犀の匂いが今年もしない
草原を歩いたのは、日差しの照りつけるそれは暑い秋だった
冬に感じる暖かさの格別なことと、夏に感じる冷たさの境界に
アジサイを切り取る様子が浮かんでいる
春の嵐は無くなったのだっけ、あの桜は夢に見たのか
椿が咲く始めには遊山の客が訪れるけれど
首の落ちない枝がたわんで
彼岸花のように、小さな子供に看取られていく
雪の中では数え切れないほどタンポポが咲いている
雪をはらうのを繰り返しているだけで
秋が訪れる
今日も寝ずの番
アサガオが庭を埋め尽くす
朝の早い時に、種を蒔こう
雨の降った後に
夏が来るから
きさらぎ→草木の更生(生き返ること。蘇ること)
日本の四季が狂った話。