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枝分かれした心の
分岐するまえの私の心が
あなたに 繋がっていたのだとしたら
あなたの枝をぽきりと折って
くしゃみをしたら忘れてしまうくらいに
私がもう見つからないくらいに
心から遠ざかっていて欲しい

あの笑顔と あの非道い顔
口をとじて もうなにも届かなかった思い出話

あしもとを見たとき
あなたはすでに踵を返していた
"とどけ"の願いは叶った
だけどもう 砂のようにここに無い

風がふく 春風と呼ぶにふさわしい温さ

私もあなたも覚えていないこと
それでも 根を抱えて生きているから
あなたが誰かにはにかむ姿
私が誰かにほほえむ姿

きっと今は似ている

触れた枝は折れない
あなたの心も 私の心も

背がのびて、
花が咲いたら 葉を茂らせて

伝える言葉はあげる言葉
燕の雨が訪れる頃

魔法のように思いを
待つまでもなく音速で伝えて

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