詩
僕のこの凄惨なまでの悲しみは
涙となって眼球にへばりつき
欲望もなにもなく
ただポタポタと無慈悲のように過ぎ去ってしまう
毎朝毎晩
目を開けたら涙が伝うので
目を閉じるのをいい加減止めたい
乾いた目に
どうしても更に涙が溢れるので
疲れ目だから、と今日もまた開閉を繰り返しているけど
悲しくなくとも涙は出るのだから
気にしない、と言いたくもある
涙は綺麗で血が少しこわい、
そんな思考の誰かがいた
血と涙は同じ成分なんだよ、
と不思議な顔をした人がいた
涙がつつ、と流れる瞬間
頭の中が透き通りゆく、不愉快
悲しみをかき回しても
薄くも明るくもならない両目を開き
うずくまってからティッシュを捨てる
僕の凄惨なまでの悲しみは
観覧車のように穏やかでもある
10分で落ち着く
目が回るように繰り返している
涙で一掃 遊園地には住めない
歪んだ世界は明るくて遠い