詩
こわいこわいと笑っている
不安定な足先
留まり囚われるのを
恐れる微笑
ふらつくのが怖くなかった
両手の荷物が重かった
だんだんに透き通って
空気になれずに灰になる
火山灰のように降り積もることはなく
すうっと静かにのどの奥
思い出さなくても見える
炎の熱さを覚えている
宙吊りになってこわばるくらいなら
汗ですべらないよう強く握って
こわいこわいと少しはにかむ
天高くのぼる、
あるいは奈落に沈む誰かを
のぞき見る必要はない
前を向いて笑え
不自然で不気味な笑顔が
チャームポイントだと苦笑できるまで
綱渡りと空中ブランコ