詩
夢を見なくてもいいわ
恋できなくてもいいわ
まどろむときは
涙を血にまぜて流す
切れ間をつぎはぎに縫って
私のためと笑みをつくる
意地のわるいあなたに
計算ミスを負わせて
色気ない声はいらないから
優しい人になりたかった
夢を見なくてもいいわ
愛されなくてもいいわ
優しい人になりたかった
はかない世捨て人のように
無言でねむりに就きたい
月夜の晩には慟哭もせず
目が回るように踊ります
優しい人になりたかった
夢はなくても息ができるわ
酸素がないなら木になるわ
優しい人になりたかった
まどろむときは
こんなにも悲しい