詩
目をあげましょう
健全な路地裏を歩きましょう
老衰死寸前の太陽のもと、餌付けされた魂がひっそりと焦げます
海の底にいる月を捕らえて飼い殺しましょう
誤って殺した月を食する時に、君はきっとこちらを見ないでしょう
此所は"死ねば良いのに"で死ぬ世界なので、いつもより静かに眠れます
樹の影が毒のように君を翳す度、きっと私にもいつか病を選ぶ日が来るのだと思えます
息が震えて、白い手が恐いくらい冷たいです
無彩色の瞳は、取り出して洗いましょう
目をあげましょう
君の言葉を揚げましょう
不健全窮まりない世界で、君と私は生き残るのです
月がなくなった空の下、
君はとても悲しい顔で、泣くことも出来るでしょう。