詩
優しさが一番最初に無くなるのは当然のことで、涙が枯れ果てるのも時間の問題で。
僕が思うことを君は全然理解出来なくて、朝っぱらから鼻をすすっていた。
埃が小部屋に降り続いて、埋まってしまうのを待つ。
僕を括り付けた紐が解けても、僕は君を解放しなかった。
どんな状況下だとしても、君の悲鳴で眠れなくとも、この小部屋を世界に仕立て上げたかった。
魔女はやせ細った君の頭を優しく撫でて、僕を抱き締める。
甘いお菓子の匂いはもう、僕らには分からなくなっていて、君の涙のあとを、魔女は丁寧に拭った。
ヘンゼルとグレーテル改編。
レープクーヘン→お菓子